#Section 01

入社のきっかけと不安

林業に興味を持ったきっかけと、
最上広域森林組合に就職した理由を教えてください。

中嶋

林業に興味を持ったきっかけは、もともと高校で建築の勉強をしていたことです。そこで木の加工を学んでいたのですが、だんだんと木そのものに興味を持ち始め、育てる側の仕事に就きたいと思うようになりました。

森林組合を選んだ理由は、木の保育に力を入れていると聞いたことと、実家から近いということです。農林大学校に入ってから職に就こうと考えていたところ、実際に卒業生が何人も就職しているという話も聞いていたため、こちらに決めました。

井苅

私も高校で林業の学科を専攻していたので、将来は林業をやろうと考えていました。高校生の時に、地元の森林組合の方が機械を操作している姿を見て、「自分も乗ってみたい」と思ったのが一番のきっかけです。

最上広域森林組合に入った理由は、農林大学校のインターンシップで来たことがきっかけです。インターンシップや学校の授業でもお世話になり、技術力の高さにとても感動しました。 他の組合も見学に行きましたが、やはり最上広域森林組合が一番技術力が高いという印象を持ちました。「これほどの高い技術力を持つ人たちのいる職場で働きたい」と思って、最上広域森林組合に入りました。

庄司

私の場合、もともと祖父が林業をやっていたことがきっかけです。そこから自分も興味を持つようになり、農林大学校に林業経営学科ができるタイミングで入学しました。

最上広域森林組合に入った理由は、まず自宅から近いという立地条件が良かったことです。それから、インターンシップに参加した際、職場の雰囲気が非常に良く、農林大学校の先輩方もいらっしゃったことです。他にもいろいろなところに見学に行ったのですが、最上広域森林組合の環境が一番だったので、「ここに入るしかない」と感じました。

藤田

私が高校で就職するか進学するかといった進路を決める時期、何をするか具体的に決まっていませんでした。その時に、農林大学校に林業経営学科ができると高校の先生から聞き、少し林業について調べたり、当時流行っていた映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)」を観て、山で仕事をしてみたいと思ったのが最初のきっかけです。

農林大学校に入っていろいろ勉強していく中で、すっかり林業にハマってしまい、機械操作もチェーンソーもすべて好きになりました。屋内よりも屋外で働きたいと昔から考えていたことも、林業を選んだ理由の一つだと思います。

今の職場に就こうと思った理由は、一番は地元に貢献したいという気持ちが強かったことです。それと、インターンシップでお邪魔させてもらった時に、皆さん、年齢に関係なく和気あいあいと楽しそうに話しながら仕事をしていて、「ここなら自分も楽しく働けそうだ」と感じたのが理由です。事務所との連携もとてもよく取れていて、そこもいいなと思いました。

入社前に不安に感じたこと

就職にあたって不安に感じていたことはありますか。
また、実際に入社してどうでしたか。

藤田

私は学校でチェーンソーを使ったり現場で重機を使ったりはしていましたが、実際の現場でそれが通用するのかと、入社前はとても不安でした。しかし、いざ入社してみると、基礎を覚えていたことがとても役に立ち、意外とスムーズに職場にも仕事にも慣れることができました。

庄司

あまり不安だったことはなかったと思います。やっていけばだんだんわかるかなと。
しいて言えば人間関係のことでしたが、その点、非常に雰囲気の良い職場だったので安心しました。

井苅

自分はコミュニケーションが苦手な性格なので、現場のベテランの方々とうまくとけ込んでいけるのかと、最初は不安でした。
でも思い切って仕事のことで相談してみたら、とても丁寧に答えてくれる人がたくさんいたので、そこはやはり助かったところです。

中嶋

私はここにいる先輩方とは違って、現場ではなく管理の仕事をしています。

農林大学校の出身で管理職に就いたのは初めてだそうです。農大時代の先輩もいないのでうまく職場にとけ込めるか不安なところもありましたが、先輩や上司の皆さんが気軽に声をかけてくれたり、相談を持ちかけた時も丁寧に教えてくれたりして、仕事も覚えやすく、職場にも溶け込みやすかったです。事務所の中でも冗談が飛び交うなど楽しい職場で、ほっとしました。

中嶋さんは、他の3人とは部署が違うので、仕事内容も変わりますね。

中嶋

私の場合は森林整備課係なので、山に入るのと所有者さんと会うのは半々ぐらいの割合になります。

山に入った場合の仕事内容はその都度違います。私は木を切る作業はあまりせず、間伐するところの区域を測量や境界を出したりすることがメインになります。そういった書類に落とし込むような情報を収集するのが山での主な業務です。

その他の時間は、事務所で書類を作ったり、所有者さん宅に訪問したりしています。1年目から山の所有者さんの担当を受け持つことになり、うまくコミュニケーションが取れるか不安でしたが、先輩が一緒について回ってくれて、所有者さんからも「きれいにしてくれてありがとうな」と言われたりして、それでだんだんと自信がついていきました。

入社当初の印象は?

入社当初の印象として覚えていることは?

庄司

私が入社した時、最初は手伝いという形で、配属された班で勉強させてもらいました。
そうしたら、その班の先輩たちは皆さん大ベテランで、機械操作がものすごく早かったんです。
実は、「自分も簡単にできるだろう」と考えていたのですが、いざ操作してみると全然うまくできませんでした。

とてもスムーズに全ての仕事を行っているベテランの人たちの姿に、一番驚きましたね。
早くこうなりたいと思いました。めちゃくちゃかっこよかったです。

井苅

入社当初に一番驚いたのは、ベテランの方々の冷静な仕事ぶりでした。

例えば、道路沿いの木や家が近い場所での作業をする時は、すごく不安を感じることが多いのですが、ベテランの方に「どうしたらいいですか」と相談すると、「これはこうした方がいい」と、どんどんとやり方を教えてくれます。
たくさん経験をしているからこそ、冷静に物事を判断できるんだなと感動しました。

藤田

私も入社してすぐの頃は、現場のお手伝いという形で山に入りました。その時の印象として残っているのは、ベテランの先輩たちが何も言葉を交わさずに作業を回している姿でした。

普通の人なら「これをしたら、次にあれをして」といった指示を口に出さないと分からないと思うのですが、ベテランの人たちは何も言わなくても相手の仕事を理解し合っているように見えました。あの時はすごいなと思いましたね。

それと、もう一つすごいと感じたのは、自分の祖父ぐらいの年齢の人たちが、大きなチェーンソーを使って、自分の体よりも何倍もの太さの木を切り倒していたことです。仕事とはいえ、あれを見た時のすごさは、今でも覚えています。

山を歩くにしても、入社したばかりの私たち20代よりも、何倍も速いスピードで進んでいくんです。
「化け物だな」と思うぐらい、本当に驚きました。これは体力の問題というよりコツですね。
ですが、自分はまだまだその領域には到達していません。

中嶋

自分は屋内がメインの仕事ですが、現場に出ることもそれなりに多くて、山を歩くと思ったより肉体労働だなと感じることが結構あります。現場の人が肉体労働であることはもちろんですけど、管理の方もここまで動くとは思いませんでした。

自分は昔から野球やっていて、体力は結構ある方だと思っていたんですが、やっぱり先輩方の山を歩くスピードがものすごく速かったので、そこには特に驚かされました。