#Section 02
大変なこと・やりがい・1日の流れ


この仕事をしていて大変だと感じることは?

やぶだらけの山に入って行くことですかね。やぶの中を進んで境界を探して印をつけていくんですが、ものすごい傾斜を登ったり下ったりしていくので、その作業がすごく大変です。
安全第一を意識しながらで慎重にもなるので、集中力もかなり使います。なかなか骨の折れる仕事だと思っています。

木を切る時にパッと見て、それが2メートル材か3メートル材かといったことを一瞬で判断しなければならず、入社した当初はそれが非常に大変でした。最初から新人が切ることはなく、基礎的な寸法を取る作業になりますが、その見極めが難しくて、「これは何メーター材で切ったらいいですか」といちいち先輩に聞いていました。
最近は機械化が進んでいて、造材も機械で長さを設定すれば、一気に切れるようにはなっています。
伐倒の機械化も進んでいますが、斜面の伐倒の場合、傾斜がきついところでは重たいチェーンソーで作業するのは難しく、いまだに人力に頼らざるを得ません。

山の中はとても暑くて、一本の木を切るだけで汗だくになります。冬の時期でも木は伐倒するので山に入ります。一日中極寒の中で動くということは、普段はまずしないので、寒さはきついですね。そこは入社した当初も、4年目の今でも大変だと感じるところです。

暑さ寒さは、そのうち慣れるものですか。

そうですね。自分は山での作業は暑いと思っていたのですが、山以外の場所に行ってみると、暑さは山のレベルではありませんでした。山の中はむしろ涼しいのかなと感じています。
ちゃんと切れるチェーンソーを使ったり、無理のない体勢で作業をしていれば、その分疲れは軽減されるので、時間が経てば慣れてくると思います。
先輩の話では10年ぐらいかかるというので、自分もまだまだですが。

庄司さんは、大変だと感じることはいかがでしょうか。

入社当初は、ものすごく太い杉の木を手作業で造材にする時に、上から切って下から入れたりすると合わないということがよくありました。その作業にうまく慣れていくまでは大変でした。現在はプロセッサーで切っていますが、数年前はその機械がなかったので、全て手造材でした。 あと最近でいうと、家屋や道路の近くの木切りの時に、電線などがあると神経を使うので苦労しますね。

一般的に、林業は危険な仕事ではないかという心配もあるかと思いますが?

もちろん、危険であることは間違いないです。最近もちょっとしたヒヤリハットがありました。とはいえ、最近は昔と比べてもだいぶ危険も緩和されているんじゃないでしょうか。

例えば造材作業では、昔は手作業で行っていたので、作業員が木と隣接して作業することになるため、切った木材が転がって足を下敷きにしてしまうこともありました。伐倒作業でも、倒した木につるが引っかかっていることに気づかず、自分の方に倒れてきて事故が発生することもありました。
でも現在は機械化が相当進んできたので、基本的に伐倒作業についても機械で倒すようになっています。チェーンソーを使用する際は、防護ズボンやヘルメットなどの保護具を全て装着することが義務付けられているので、危険性は以前よりだいぶ少なくなってきたと思います。




仕事のやりがいは?

この仕事をしていてやりがいを感じるのはどういう時ですか。

私は森林整備課係の所属なので、伐倒や造材ではなく、間伐や造林、下刈りなど山の管理業務を主に担当しています。植栽で杉を植えた後や、下刈りをした時などに、「やんべしてくれて、ありがとさまな」と声をかけられたりすると本当に晴れ晴れとした気持ちになって嬉しく感じます。そういう言葉をもらえるとやりがいが感じられて、やる気も出てきます。

私は組合員である山の所有者さんに、木を切ってお金が還元されるところにやりがいを感じます。売上という形で分かりやすく数字を示せるところが、一番の成果ではないかと思います。

自分にとってのやりがいは、やはり現場で作業をして、一つの現場が終わった後の生産量としての数字ですね。何立方メートルという数字を見て、「これだけの生産量を出したんだな」と実感が湧くところに手応えを感じます

自分たちが手入れをして、きれいに整備した山を見ると、自分でも気持ちよく感じます。木を伐採すれば光が入ってくるようになり、特に間伐作業では見た目の変化が顕著に現れます。作業前はつるが絡んでいたり、頭が折れている木があったり、他の木に引っかかっている木があったりしますが、それらを間引いて整理し、光を入れることで、見た目から全く違う山になります。その変化を見ると、とても気持ちいいですね。
所有者さんからも「きれいにしてくれてありがとう」と言われると、自分たちのやっていることは意味のある仕事なんだなと、やりがいを感じます。




1日の仕事の流れ

平均的な一日のスケジュールを教えてください。
まずは、森林整備課係の中嶋さんからお願いします。

毎朝8時過ぎに出社して、まずパソコンを開いてメールが来ていないか確認します。
活動内容はその日ごとに異なります。例えば、契約書を所有者さんに書いてもらう時は、所有者さんに事前に訪問する日程を伝えて、実際に伺った際は、事業内容をいろいろと説明をして、契約書を書いてもらったりします。
そういう一日もあれば、書類を作成するために、GPSを持って山に入り、周囲をぐるっと回って測量をしたり、下刈り着工の前と後の写真を撮ったりすることもあります。
自分が担当の仕事がない日は、他の人の手伝いに行くこともあります。あまりルーティーンのような感じではなくて、日によって結構バラバラな動きをします。

林産振興課係の方はいかがでしょうか。
現場作業の一日を教えてください。

まず7時半頃に事務所に集合します。トランシーバー、水分、道具類など、その日に現場で必要になる道具を準備して、皆で現場に向かいます。
現地に8時頃に到着して、短時間のツール・ボックス・ミーティングを行って、今日の作業内容の確認や、気を付けなければならないことなどを話し合ってから、各自配置につきます。
お昼になったら昼休憩をして、また少しミーティングをしてから作業を再開し、だいたい午後4時頃で切り上げます。
全員で事務所に戻って、その日使った道具を片付けたり、日報を書いたりして、一日が終わります。


